断熱塗料で室温が何度下がる?実測データと光熱費削減事例

「断熱塗料って本当に効果があるの?」──屋根や外壁の塗装を検討する方なら、一度は抱く疑問ではないでしょうか。特に夏場の室内温度上昇や、冬場の暖房費の高騰に悩むオーナー様・ご家庭にとって、断熱塗料は有効な選択肢といわれています。しかし、カタログやメーカーの宣伝だけでは具体的な数値や事例が見えにくく、「実際どのくらい室温が下がるのか」「光熱費はどの程度削減できるのか」という点が気になるところです。
今回のお役立ちコラムでは、断熱塗料の仕組みをはじめ、室温低下効果(平均2〜3℃程度) や光熱費削減事例(年間1〜3万円前後の節約効果)を詳しく紹介します。また、遮熱塗料や断熱材との違い、断熱効果を最大限に活かす工夫についても解説。さらに、塗料の種類ごとの耐用年数や価格の比較情報もまとめています。
「今年こそエアコン代を抑えたい」
「屋根や外壁の塗り替えで断熱効果も得たい」
と考えている方にとって、必ず参考になる内容です。ぜひ最後までご覧ください。
断熱塗料とは

・中空ビーズやセラミックの粒子が混ぜ込まれており、空気層が熱を通しにくくする。
・夏は屋外からの熱の侵入を抑え、室内温度の上昇を軽減する
・冬は屋内からの熱の流出を抑え、室内温度の低下を軽減する
断熱塗料は、熱の伝わり方を抑えることで、夏は外の熱が室内に入りにくく、冬は室内の熱が外に逃げにくくなる効果をもつ塗料です。1年を通して室内の温度を快適に保ち、冷暖房費の節約につながります。
断熱塗料のメリットとデメリット
断熱塗料を導入する最大のメリットは、熱中症対策や寒さ対策に効果的な点です。断熱塗料だけで快適に過ごせるとまでは言いませんが、室内が快適な温度に近づくため、冷暖房の使用頻度や消費電力を減らせるので省エネ効果を期待でき、電気代の節約につながります。
室内と室外の温度差を小さくすることで、結露の発生を抑制し、カビやダニの繁殖を防ぐ効果も期待できるでしょう。耐用年数が長いため、塗装メンテナンスの頻度も減るので、長い目で見ればお得な点が多い塗料です。
断熱塗料のデメリットは、通常の塗料より高価な点が上げられます。ただし施工において人件費や足場代などに変わりはないため、長持ちしやすい点や省エネ効果を考えると、そこまで大きなデメリットではありません。
断熱材と断熱塗料の違い
断熱材は、建物の壁や屋根、床の内部に施工される厚みのある素材で、熱を遮断することが主な役割です。素材はグラスウールや発泡ウレタンなどが代表的で、数センチから十数センチの厚みをもつため、機能面で言えば断熱塗料より優れており、耐用年数も長い傾向にあります。ただし、断熱材の改修や追加は工事になりやすく費用もかさみます、
一方で断熱塗料 は、屋根や外壁の表面に塗ることで、熱の伝わりを遅らせます。塗膜の中厚みは断熱材より薄いため、断熱材と比べると機能面ではやや劣るでしょう。
ただし、断熱塗料は断熱効果だけでなく、塗料のもつ他の機能(防水性・防汚性・防カビ性・防サビ性など)ももちます。屋根や外壁のメンテナンスの一環として採用できるため、導入しやすいでしょう。
遮熱塗料と断熱塗料の違い
遮熱塗料は、太陽からの熱をできるだけ反射して建物に侵入させないことを目的にした塗料です。特に屋根や外壁に使うと、直射日光を反射して表面温度の上昇を抑え、室内への熱の侵入を減らします。夏の暑さ対策では特に効果的ですが、冬場に室内の熱を保つ効果はほとんどありません。
一方で、断熱塗料は、塗膜そのものに熱を伝わりにくくする性質をもたせた塗料です。夏は外からの熱を伝わりにくくし、冬は室内の暖かさが外に逃げるのをある程度防ぎます。つまり、夏と冬の両方で効果を期待できる点が遮熱塗料との大きな違いです。
断熱塗料を最大限に活かすコツ

熱の流入は開口部(窓など)からがもっとも多いと言われているため、断熱塗料を最大限に活かすためには、開口部の対策も必要になります。(せっかく断熱塗料で熱の流入を抑えられても、窓から侵入・排出してしまっては意味がありません。)
窓に塗装はできませんが、断熱カーテンやブラインド等を利用すれば、熱の流入を大幅に削減できるでしょう。断熱カーテンやブラインドの導入はDIYで対応可能なので、検討してみてください。
断熱塗料でどの程度室温が下がるのか
一般社団法人・日本建設業連合会による実測データによると、屋根や外壁に断熱塗料を施工すると、表面温度で最大15〜20℃程度下がるとのことです。(表面温度が下がれば、屋根材や外壁材への熱ダメージも軽減できるため、長持ちするでしょう。)
室内温度の低下については、大体2〜3℃程度と言われています。たった2度~3度と思うかもしれませんが、エアコンの設定温度を25度にするのと28度にするのでは大きく違うように、熱中症対策には向いており、エアコンへの負荷も軽減できるでしょう。
特に、金属屋根やスレート屋根など、熱を吸収しやすい素材の屋根に施工した場合は活躍が期待できます。工場・倉庫のように断熱材が少ない建物の場合、日射を強く受ける屋根・外壁(南面や西面)に施工した場合も向いているでしょう。
断熱塗料の効果は「冷房効率が上がり、室温の上昇が緩やかになる」と言えるレベルです。断熱塗料だけで快適に過ごせるとまでは言いませんが、活躍することに違いはありません。
断熱塗料でどの程度、光熱費を削減できるのか

エアコンの電気代 |
1日8時間稼働する場合:7万円~10万円/年1日16時間稼働する場合:14万円~20万円/年・光熱費が10%前後削減できた場合1日8時間稼働する場合:6.3万円~9万円/年(7000円~1万円削減)1日16時間稼働する場合:12.6万円~18万円/年(1.4万円~2.8万円削減) |
断熱塗料の節電効果としては、冷房費が5〜10%前後削減できたという事例が多く報告されています。1日8時間程度エアコンを使うのであれば、年間の電気代は7万円~10万円、1日16時間稼働する場合は14万円~20万円程度かかると言われているため、年間で大体1万円~3万円程度は光熱費を削減できるでしょう。
当然のことですが、エアコンの台数が多ければ多いほど、光熱費削減の効果も高くなります。エアコンが3台~4台以上あるなら、更に大きく削減できるでしょう。
断熱塗料の種類も確認して選ぶ
断熱塗料を選ぶ上では、断熱機能だけでなく、塗料の種類も確認して選ぶことをオススメします。
一般的な塗料の種類 | 耐用年数 | 1㎡あたりの塗料代 |
アクリル塗料 | 3〜8年 | 1,000〜1,800円 |
ウレタン塗料 | 5〜10年 | 1,700〜2,500円 |
シリコン塗料 | 7〜15年 | 2,300〜3,500円 |
ラジカル塗料 | 8〜16年 | 2,200〜4,000円 |
フッ素塗料 | 12〜20年 | 3,500〜4,800円 |
無機塗料 | 10〜25年 | 3,500〜5,500円 |
※塗料の価格は変動しやすいため参考程度にお考えください。近年は世界情勢の影響もあり、上昇傾向にあります。
塗料の種類によって耐用年数や塗料代は大きく異なります。高耐久で長持ちする塗料ほど高価になる傾向にありますが、合計の費用で考えると人件費や足場代に違いはないため、長持ちする塗料の方がお得です。
また表面が汚れると断熱性の低下につながるため、できればシリコン塗料やフッ素塗料、無機塗料など汚れに強い塗料の方が断熱機能も長持ちするでしょう。
シリコン塗料
シリコン塗料はもっとも普及している塗料の種類です。費用と耐用年数のバランスがよく、ラインナップも豊富なので、断熱機能をもつシリコン塗料も多数存在します。塗料の種類で悩むなら、シリコン塗料を基準に考えてみるとよいでしょう。
ちなみに同じシリコン塗料でもシリコンの含有率が高ければ高いほど、高耐久・高性能で長持ちします。
フッ素塗料
フッ素塗料はシリコン塗料よりも耐久性が高く長持ちします。断熱機能を備えたフッ素塗料は特に長持ちするため、塗装メンテナンスの頻度も減らせるでしょう。
無機塗料
無機塗料はシリコン塗料やフッ素塗料などに無機成分を配合した塗料です。無機塗料は数ある塗料の中でも特に耐久性が高く長持ちするため、長い目で見ればかなりお得な塗料と言えます。
断熱塗料で快適な住環境と光熱費削減を実現するなら石井建装へ

断熱塗料は「夏は室温を2〜3℃下げ、冬は暖かさを逃がしにくくする」実測データがあるように、季節を問わず快適な住環境づくりに役立ちます。さらに光熱費を年間で1〜3万円程度削減できる事例も多く、省エネ・節約効果を期待できる塗料です。ただし、塗料の選び方や施工の精度次第で効果に差が出るため、経験豊富な業者に依頼することが重要です。
石井建装では、断熱効果に優れた塗料を最適に選定し、耐久性や美観も両立させる施工を行っています。屋根・外壁の診断からご提案、施工後のアフターサポートまで一貫して対応いたしますので、安心してお任せください。
断熱塗料による快適な暮らしを検討中の方は、ぜひ石井建装へご相談ください。お問い合わせはフォーム・メール・お電話、またはショールームでの直接相談にて承っております。
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