PFASと外壁塗料の関係|“無機フッ素はPFASではない”を専門家監修で解説

PFASと外壁塗料の関係|“無機フッ素はPFASではない”を専門家監修で解説

近年「PFAS(ピーファス)」という言葉を耳にする機会が増えました。ニュースやSNSでは「フッ素が危険」「フッ素塗料=PFAS」という見出しを見かけ、不安を感じた方も多いかもしれませんね。

結論からお伝えします。外壁塗装に使われる“無機フッ素塗料”は、PFASとはまったく異なる物質です。今回のお役立ちコラムでは、PFASとは何か、そしてなぜ混同が起きやすいのかを専門的な視点で解説しながら、安心して塗料を選ぶためのポイントをお伝えします。

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目次

PFASとは何か?|問題視される背景と現状

PFASとは何か?|問題視される背景と現状

まずは「PFAS」と呼ばれる物質がどのようなものなのかを整理しておきましょう。環境問題として世界的に注目されているこの言葉には、“フッ素化合物”という共通点があり、それが外壁塗料との混同を生んでいます。

PFAS(ピーファス)とはどんな物質か

PFASは「Per- and Polyfluoroalkyl Substances(ペル・ポリフルオロアルキル化合物)」の略称です。いわゆる有機フッ素化合物の一種で、炭素とフッ素の強い結合によって、撥水性や防汚性、耐熱性に優れた特徴を持ちます。

その特性を活かし、フライパンのコーティングや防水スプレー、消火剤などさまざまな製品に使用されてきました。ですが、この結合が非常に安定しているため、自然界で分解されにくく、環境中に残留し続ける「永久化学物質(Forever Chemicals)」として問題視されています。

一部のPFAS(とくにPFOAやPFOS)は人体や生態系への影響が報告され、世界的に規制の動きが進んでいます。

PFAS問題が外壁塗料にも波及した理由

近年「フッ素=PFAS」という誤解が広がった背景には、“フッ素”という名称の共通性があります。もともとPFASは“有機フッ素化合物”であり、外壁塗料で使われる“無機フッ素”とは構造がまったく異なります。

ただし、一般的には「フッ素塗料=フッ素が入っている=PFAS」と短絡的に捉えられがちです。SNSや一部メディアで「フッ素塗料=危険」という情報が拡散され、混乱を招いてしまったのです。

実際のところ、無機フッ素塗料はPFASを含まず、人体・環境への残留性も確認されていません。つまり、“同じフッ素でも中身が違う”という点が、理解のカギになります。

無機フッ素塗料との違いを解説|構造・性質・安全性

無機フッ素塗料との違いを解説|構造・性質・安全性

ここでは「PFAS(有機フッ素)」と「無機フッ素塗料」がどのように異なるのかを整理します。名前は似ていますが、実際には構造も性質もまったく別のものです。

有機フッ素(PFAS)と無機フッ素の違い

PFASは「炭素(C)」と「フッ素(F)」が結びついた有機フッ素化合物です。この「炭素-フッ素結合」は非常に強力で、自然界で分解されにくいため、環境中に残留しやすいという課題があります。

一方で、外壁塗料で使用される無機フッ素塗料は、炭素を含まず、シリコンや酸素などの無機成分とフッ素を組み合わせた化合物です。構造としてはガラスや鉱物に近く、PFASとは化学的な分類そのものが異なります。したがって、PFASが懸念されるような環境残留性や生体蓄積性は確認されていません。

ただし、世界的には「フッ素系原料」の中にPFASが含まれるケースもあるため、“すべてのフッ素化合物=安全”とは限らない点に注意が必要です。国内の主要メーカー(アステックペイント、日本ペイント、関西ペイントなど)はすでにPFAS不使用処方を採用しており、業界としても透明性を高めています。

無機フッ素塗料の安全性と特性

無機フッ素塗料は、セラミックやシリコン樹脂をベースに一部フッ素結合を取り入れた“ハイブリッド構造”を採用しています。塗膜が硬化したあとは化学的に安定しており、空気中や水に溶け出すことはありません。

したがって、人体や環境に対する影響は極めて低いと考えられています。また、耐久年数が長く塗り替え頻度を減らせることから、CO₂排出量や廃棄物削減にもつながり、環境配慮型の塗料として位置づけられています。

PFAS不使用の塗料を選ぶポイント

ここからは、実際にPFASを避けたい場合に、どのように塗料を選べばよいかを解説します。「どう調べたらいいのかわからない」という方は、以下のポイントをチェックしてみてください。

メーカーの安全データシート(SDS)を確認する

塗料メーカーはすべて、SDS(安全データシート)を公開しています。ここには、製品に含まれる化学成分や安全性情報が記載されており、「PFAS不使用」の確認も可能です。

SDSの「成分情報」「特記事項」などに「PFASフリー」または「有機フッ素化合物を含まない」と明記されている場合、安心して使用できます。不明な場合は、販売店や施工業者に「この塗料はPFASを含みますか?」と確認することも大切です。

信頼できる施工店なら、根拠となる資料やメーカーへの確認回答を提示してくれるはずです。

無機フッ素以外の代替塗料も選択肢に

「フッ素=不安」と感じる方には、無機ハイブリッド塗料やラジカル制御塗料などの選択肢もあります。これらは環境負荷をおさえながら、十分な耐久性とコスパを両立できる技術です。

大切なのは、“環境にやさしい”だけでなく“建物に合うか”を見極めることです。過剰に不安を抱かず、性能・コスト・安全性のバランスで判断するのがおすすめですよ。

PFAS報道の背景と外壁塗料への誤解

PFAS報道の背景と外壁塗料への誤解

PFASが問題視されるようになったきっかけは、海外での環境汚染報道です。こうした報道が日本でも拡散され、「フッ素」という言葉だけが独り歩きしてしまったのです。ですが、外壁塗料で使われる“無機フッ素”は、構造も用途もまったく異なります。

人体や環境への影響が懸念されるのは、あくまで炭素鎖を持つ有機フッ素化合物(PFAS)であり、建築塗料の無機フッ素は対象外です。専門家の間でも、「フッ素=危険」ではなく「PFASの一部成分が規制対象である」という認識が定着しています。つまり、「フッ素塗料だから危険」という考え方自体が誤りなのです。

各メーカーのPFAS対策と動向

現在、国内外の主要塗料メーカーは、PFASに関する調査と代替開発を進めています。日本塗料工業会(JPMA)も、2024年時点で「外壁塗料にはPFASを使用していない」と明言しています。同時に、「消費者が誤解しないよう、正確な情報発信が必要」との見解を示しているのです。

アステックペイントや日本ペイント、関西ペイントなどのメーカーでは、“PFASフリー処方”を採用し、製品ごとに安全性データを公開しています。また、海外向け製品でも「PFAS不使用」「環境低負荷型」といったラベル表示を明確化する動きが進んでいます。

このように、業界全体がPFASに関する透明性を高める方向にあり、ユーザーが不安を感じずに選べる環境が整いつつあるのです。

PFASの影響を過剰に心配しすぎないために

報道やSNSで「PFAS汚染」という言葉を見ると、どうしても不安になります。ただし、外壁塗料の使用により人体に影響が出るという科学的根拠は存在しません。仮に外壁表面にフッ素が使われていたとしても、それが空気中や水に溶け出すことはありません。

また、住宅の塗膜は硬化後に安定した状態になり、室内環境や生活用水に影響を与えることもないと言えます。むしろ、無機フッ素塗料は耐久性が高いため、塗り替え頻度が減り、結果的にCO₂排出削減や廃棄物削減につながる“環境配慮型”の選択になるのです。

不安を感じたときは、情報源を確認してみてください。「PFAS=有機フッ素」「無機フッ素=別物」という基本を理解するだけで、ニュースに振り回されることなく、冷静に判断できるようになります。

環境省:有機フッ素化合物(PFAS)について

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FAQ|PFASと外壁塗料についてよくある質問

ここでは、お客様から実際にいただく「PFAS」と「無機フッ素塗料」に関するご質問にお答えします。難しく聞こえる化学の話も、やさしくかみ砕いて解説していきます。

Q1.無機フッ素塗料はPFASとまったく関係ないのですか?

A.はい、関係ありません。PFASは有機フッ素化合物ですが、無機フッ素は炭素を含まない別の化合物です。性質・構造・環境影響のすべてが異なります。

Q2.PFASを含む外壁塗料は国内でも販売されていますか?

A.国内の主要メーカーでは、PFASを含む塗料はほとんど存在しません。アステックペイントなどは、明確にPFAS不使用を公表しています。安心して選べる体制が整っています。

Q3.PFASを避けたい場合、どうやって確認すればいいですか?

A.SDS(安全データシート)の確認が最も確実です。成分欄に「有機フッ素」「ポリフルオロ〜」などの記載がある場合は、メーカーに直接問い合わせましょう。

Q4.無機フッ素塗料のメリットは何ですか?

A.耐候性・防汚性が非常に高く、15〜20年にわたって美観を保てます。紫外線による劣化も少ないため、長期的にメンテナンスコストをおさえられます。

Q5.PFAS規制が進むと、フッ素塗料は使えなくなりますか?

A.いいえ。PFAS規制の対象は“有機フッ素”です。“無機フッ素”は対象外であり、今後も安全に使用され続けます。

「PFASと無機フッ素は別物」不安を解消して選ぶなら|石井建装が根拠資料つきでご案内します

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PFASは炭素鎖をもつ有機フッ素化合物で、外壁塗装の“無機フッ素塗料”とは化学的に別物です。無機フッ素塗料は硬化後に安定し、環境残留や生体蓄積の懸念は基本的にありません。

つまり「フッ素=危険」ではなく「PFASの一部が規制対象」というのが正しい理解です。情報が錯綜する今こそ、判断基準は“名称”ではなくSDS(安全データシート)等の一次情報を確認することが重要です。

石井建装では、各塗料のSDS確認やメーカー照会記録を添えてご提案し、PFAS不使用処方や無機・有機の違い、塗装後の環境影響まで丁寧に説明します。無機フッ素に不安があれば、無機ハイブリッドやラジカル制御など代替案も比較表で提示可能です。まずは「ご自宅に最適か」を一緒に見極めましょう。

お問い合わせはフォーム・メール・電話でのご相談、またはショールームへの来店にて承ります。石井建装が“正確な情報×根拠資料×比較検討”で、安心できる外壁塗料選びをサポートします。

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