台風後の雨漏り修理対策–応急処置と業者選び

台風が過ぎ去ったあとの点検で
「あれ…天井が湿っている?」
「壁紙にシミが出てきたかも」
と気づいた瞬間、これまで何度もお客様から同じ声を聞いてきました。外装劣化診断士として現場に立つと、最初はわずかなシミや水滴だったのに、放置したせいで柱や梁が腐食し、大規模な修繕に発展してしまったケースを数多く見てきました。雨漏りは自然に直ることはなく、時間が経つほど建物内部の被害は深刻化し、修理費用も膨れ上がっていきます。
とくに台風後の雨漏りは、強風と豪雨が同時に作用するため、普段は濡れない軒裏やサッシ周りにまで浸水するのが特徴です。そのため「とりあえず様子を見る」では被害を食い止められません。だからこそ私たち専門家は、台風直後の応急処置と信頼できる業者選びの重要性を強くお伝えしています。
今回のコラムでは、まずご家庭でできる安全な応急処置を整理し、続いて「どんな業者に任せれば再発を防げるのか」を、現場経験を踏まえて解説します。読み終える頃には、被害を最小限に抑え、修理をスムーズに進めるために必要な手順が明確になるはずです。
なぜ台風の後に雨漏りが発生するのか

台風の強風は、屋根や外壁に直接的なダメージを与えます。瓦やスレートがずれたり、棟板金(屋根の頂上にある金属の板)が浮いたり剥がれたりすることもあるでしょう。また、通常の雨では濡れない場所(軒天や換気フードの下など)に、風によって雨が吹き付けられ、そこから浸水することもめずらしくありません。
その他、もともとあった小さなひび割れや、コーキング(建物の隙間を埋めるゴム状の材料)の劣化箇所に、台風の大量の雨水が集中することで雨漏りが発生することも多々あります。普段は問題にならないようなわずかな隙間が、強い雨と風によって水の通り道になってしまうため、注意が必要です。
また、大量の雨で雨樋や排水口が詰まって、雨水が溢れてしまい、通常は水が当たらない部分から浸水することもあるでしょう。
台風の後に雨漏りが発生!応急処置の方法は?|コツ・注意点
雨漏りを発見した際の応急処置について、詳しく解説します。最も大切なのは安全を確保した上でおこなうことです。安全が確保できないならば、応急処置も含めて業者に依頼しましょう。
身の安全と室内の安全確保(最重要)
一般の方が屋根に登ることは推奨できません。濡れた屋根の上は非常に滑りやすく、転落事故につながる危険が極めて高いからです。たとえ雨がやんでいたとしても、絶対に自分で屋根に登って応急処置を試みないでください。
雨漏り箇所が天井の照明器具やコンセントの近くにある場合は、感電の危険があるため、すぐにブレーカーを落として電源を切りましょう。家具や家電・書類・衣類など、水に濡れて困るものは、速やかに安全な場所に移動させます。
雨水を受け止める応急処置
まずは床や家財が濡れるのを防ぎ、被害の拡大を最小限に抑えます。雨水が滴っている真下に、バケツや桶を置くとよいでしょう。水が勢いよく滴り落ちる場合は、水が跳ねて周囲が濡れてしまうため、バケツの底に雑巾やタオルを敷いておくことをオススメします。
バケツだけでは受け止めきれない場合や、広範囲にわたって雨水が染み出している場合は、ブルーシートやビニールシートを敷いて、その上にバケツを置くとよいでしょう。シートの端を少し高くして、水がバケツに集まるように工夫するとより効果的になります。
天井から水が滴る手前で、壁や天井の濡れている部分にタオルを押し当てて、水を吸い取らせる方法も有効です。ただし、これも一時的な処置であることに変わりはありません。
被害状況の記録
応急処置が一段落したら、被害状況の記録をとりましょう。その後の修理や保険申請に不可欠です。
写真や動画で記録を残したい箇所 |
・雨漏りしている箇所(天井のシミ、水滴が落ちている様子など)。 ・雨漏りによって濡れた家財(家具、家電、床など)。 ・被害の範囲がわかるように、部屋全体の状況。 |
日付や時刻を入れて記録しておくと、さらに証拠能力が高まります。その後はすぐに信頼できる修理業者に連絡し、状況を伝え、迅速な点検・修理を依頼しましょう。
賃貸物件の場合は、直ちに大家さんや管理会社に連絡してください。許可なく勝手に業者を手配するとトラブルに発展しかねません。また経年劣化による雨漏りならば、基本的にはオーナー側がすべてを負担するのが一般的です。
応急処置で絶対にやってはいけないこと
天井の雨漏り箇所を特定しようとして、穴を広げたりすると、天井板の強度を損ない、かえって被害を拡大させることがあります。
自己判断でコーキング剤を塗るのもやめた方がよいでしょう。どの部分から雨水が浸入しているかを正確に特定するのは難しく、自己流でコーキング剤を塗ると、雨水の出口を塞いでしまい、別の場所から雨漏りを引き起こす可能性があります。
雨漏り修理が可能な業者の種類

雨漏りが発生した際に相談すべき業者について、詳しく解説します。大切なのは、ただ修理するだけでなく、雨漏りの根本原因を特定し、再発を防いでくれる専門業者を見つけることです。
屋根工事専門業者
屋根工事専門業者は、屋根材(瓦、スレート、金属屋根など)の専門知識が豊富です。瓦のずれやひび割れ、棟板金の浮きや雨樋の破損など、屋根からの雨漏り原因を正確に特定し、修理できます。
板金工事業者
板金工事業者は主に金属屋根や、棟板金・雨樋など、金属部分の施工・修理を専門としています。金属屋根からの雨漏りや、棟板金・雨樋の破損が原因で雨漏りしている場合に頼りになるでしょう。
外壁塗装業者
外壁塗装業者は外壁のひび割れや、コーキング(シーリング)の劣化、防水層の破損など、外壁からの雨漏りを専門としています。外壁のひび割れが目立つ場合や、窓まわりからの雨漏りが疑われる場合に頼りになるでしょう。
総合リフォーム業者
総合リフォーム業者は、屋根・外壁・内装など、建物全体の知識を持っています。雨漏りの原因が特定できない場合や、複数の箇所にわたる大規模な修理が必要な場合に適しているでしょう。ただし、下請け業者を利用する総合リフォーム業者も多く、業者によって得意分野が異なります。
雨漏り修理業者の選び方
雨漏り修理は高額になりがちであり、悪徳業者も存在します。以下のポイントを参考に、信頼できる業者を選びましょう。
相見積りをとる
一社だけでなく、複数の業者から見積りをとり、費用や工事内容、担当者の対応を比較しましょう。これにより、適正な価格を把握しやすく、不当な高額請求を避けられます。
原因究明を丁寧におこなうか
信頼できる業者は、すぐに工事を始めるのではなく、まず徹底した原因調査をおこないます。判断が難しい場合は散水調査や目視、ドローンなどを用いて、雨水の侵入経路を特定してくれるでしょう。ろくに調査もせず高額な契約を迫る業者には注意が必要です。
見積り書の内容が詳細か
見積り書に「雨漏り修理一式」と書かれているだけの業者は避けましょう。材料名・単価・数量・作業内容などが具体的に記載されているか確認してみてください。不明な点は納得いくまで質問しましょう。あやふやな見積り書で契約するのは、何をするかわからない相手と契約するようなものです。
施工実績と会社の信頼性
依頼したい業者の過去の施工事例や、会社概要を確認しましょう。地元での実績が豊富か、会社の所在地や連絡先が明確か、資格(建築士、施工管理技士など)を持つ者がいるかなども判断基準になります。
保証内容が明確か
施工後の保証期間や保証内容が明確に書かれているかを確認しましょう。万が一、再発した場合の対応について、事前に確認しておくことが大切です。
雨漏りを業者に相談する際のコツ

いつから雨漏りしているかやどんな時に雨漏りするか(大雨の時だけか、少量でもするか)、雨漏り箇所(天井、壁など)を正確に伝えましょう。雨漏り箇所の写真や、応急処置で撮影した写真を見せることで、業者も状況を把握しやすくなります。
台風後などは「今すぐ修理しないと大変なことになる」と不必要に不安を煽る業者がいますので注意してください。冷静になり、相見積りをおこない、比較してから判断しましょう。
FAQ|台風後の雨漏り修理対策についてよくある質問
台風後の雨漏りは突然発生し、慌ててしまう方も少なくありません。ここでは、応急処置や業者選びなどでよくいただく質問にお答えします。
Q.台風後に雨漏りが発生したら、まず何をすればよいですか?
まずは身の安全を最優先にしてください。ブレーカーを落とす、濡れやすい家具を移動するなど室内の被害拡大防止が第一です。
Q.応急処置は自分でできますか?
屋根に登るのは危険なので避けましょう。室内ではバケツやシートで水を受け止める、タオルで吸水する程度が限界です。
Q.保険は雨漏り修理に使えますか?
台風による屋根や外壁の破損が原因の場合、火災保険の風災補償が適用される可能性があります。必ず写真を残し、保険会社に確認しましょう。
Q.業者選びで注意すべき点は何ですか?
見積りを複数社から取り、調査を丁寧に行うか、見積り内容が詳細か、保証体制が明確かをチェックしましょう。
Q.台風直後は業者が忙しく、すぐに来てもらえない場合はどうすればいいですか?
応急処置をした上で、被害状況を写真で記録し、早めに業者へ相談してください。順番待ちでも被害を小さく抑えることにつながります。
石井建装なら台風後の雨漏りも迅速・安心対応!

台風後の雨漏りは、原因が複雑で再発しやすいトラブルです。応急処置だけでは根本的な解決にならず、被害が広がるリスクもあります。そのため、信頼できる専門業者に早めに相談することが重要です。
石井建装では、台風後の緊急対応から徹底した原因調査、的確な修理まで一貫して行っており、地元での実績と信頼に基づいた対応をお約束します。さらに、施工後の保証体制やアフターフォローも整っているため、修理後も安心が続きます。雨漏りに不安を感じたら、ぜひ石井建装にご相談ください。問い合わせフォームからのお問い合わせはもちろん、メール・電話でのご相談、ショールームでの直接のご相談も承っております。
大切なお住まいを守るため、迅速かつ誠実な対応でお客様をサポートいたします。
コメント